11 posts categorized "[映画]1950年代以前"

2006.06.17

『ライムライト』

ライムライト コレクターズ・エディション 

今日はチャップリンの1953年監督作品の『ライムライト』を観た。 アメリカでの最後の作品。

華やかなライムライトの蔭
老いは消え 若きにかわる
バレリーナと道化の物語
ロンドン 1914年

もう、爆涙。。

余談だが、1914年というと第一次大戦勃発というのもあるけれど、チャップリンがアメリカで認められた時期とも重なり、それから約40年後の1952年にマッカーシズムによって国外追放になったという経緯を思うと、トップスターの座にあってさえ孤独感を募らせていたチャップリンの、この頃の寂寥感ははかり知れない。だから爆涙。。

ラブ・チャップリン
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映画主題歌 チャールズ・チャップリン ザ・フューリーズ
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2006.05.09

『蜘蛛巣城』

photo
蜘蛛巣城(1957)
三船敏郎 山田五十鈴 千秋実
東宝 2002-11-21

by G-Tools , 2006/05/09

昨夜、ふとTVをつけると黒澤明の『蜘蛛巣城』が始まるところだった。
日本映画専門チャンネルで。

シェイクスピアの『マクベス』を時代劇にしたもの。古い日本映画はセリフが聞き取りにくい場合が多くて、できれば日本語字幕をつけてくれないかなぁと常々思うほどだが、山田五十鈴の立ち居振る舞いの様式美、三船敏郎の率直すぎるほどの表情の分かりやすさのおかげで、この映画は他の黒澤映画にくらべてわりかしセリフに気をつかわず鑑賞できた。それでも冒頭の蜘蛛手の森での三船敏郎と千秋実の会話はあまりよく聞き取れなかった。

しかし観終わってみると、三船敏郎が演じる“猛将”の豪傑ぶりが描かれているのはこの冒頭のシーンのみで、後は深い欲望ゆえに実体のない物の怪や妻による巧みなそそのかしに翻弄されるおろかしい男としてクライマックスになだれこんでいくわけだし、千秋実演じるいかにも人のよさそうな朋友を裏切った罪の意識が彼をさらなる狂気に追いこんでいくわけだから、この冒頭は重要そうだにゃ。もっとも、黒澤映画にムダなシーンはないんだろうけど。
ラストシーンは鷲津武時のみならず蜘蛛巣城をも拒絶し無人の静寂に帰す蜘蛛手の森。無常感あふるる光景なり。

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2006.05.05

チャップリンの『街の灯』

photo
街の灯 コレクターズ・エディション
チャールズ・チャップリン ヴァージニア・チェリル フローレンス・リー
ジェネオン エンタテインメント 2004-01-23

by G-Tools , 2006/05/05

チャップリンの『街の灯』を観た。名作ですっ!

この映画も1930年代の大恐慌後のお話だ。チャーリーのような定職も住む家もない放浪紳士もいれば、毎夜大酒を飲み召使や執事にかしずかれ、それでも幸福感を得られず死にたがるような大富豪もいる。街角に立つ少年が新聞を売り、盲目の娘が花売りをして祖母との二人暮しのための生活費をかせぐ。大富豪が不幸なのは、正体をなくすほど酔っているときだけでなく酔っていないときも何も見えていないことだ。彼もまた盲目だといえるのかもしれない。彼の目は手術では直らない。チャーリーや娘のように、暗い夜道を照らすかすかな街の灯を見ることもできない。

で、最近寄り道ばかりのあたくしはチャップリンとガンジーが並んで写っている、写真をみかけ、ガンジーの『建設的計画』を発見してありがたく読んでしまい、感激ですっ!Webはとても便利です。

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2006.02.01

『熱いトタン屋根の猫』

今日は、テネシー・ウイリアムズの戯曲をリチャード・ブルックスが脚本・監督した『熱いトタン屋根の猫』をdvdで観た。とても面白かった。
1958/米

この映画もヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの『欲望という名の電車』と同じく、検閲への配慮から当時の道徳からはずれるとされた要素を排除とはいかないまでも曖昧にして映画化したことにより原作者をえらく失望させたそうだが、皮肉なことに、曖昧にしたはずの性的な要素がそういった事実を感じさせないくらいによく伝わってきた。ま、原作者としてはガックシな気分だったとしても、50年後の現代人にはヒシヒシと伝わっていることをテネシー・ウイリアムズに教えてあげたい気分。何せ同性の結婚が認められ、タブーでもなんでもなくなりつつあるワケだし。こうなってしまうと逆に苦悩も人間ドラマも生まれにくくなるんではと、いらぬ心配をしちゃうくらいな勢い。

リチャード・ブルックス見事な脚本です、たぶん。。映画『欲望という名の電車』はどういった事情か、コレに比べると弱気すぎるような。「同性愛」の存在を完全に隠蔽し、違う物語を作中にでっちあげてしまっていたので。ですので、お好みはそれぞれおありでしょうが、いくつかの矛盾や疑問を残しつつもあくまでも映画として、私はこの『熱いトタン屋根の猫』の方が幾分好きかも。

特に印象に残っているのは、初盤の、エリザベス・テーラーが汚されたストッキングを履き替えながら悪態をつく場面。マギーという役の生命力の強さとか賢さ、勘のよさなどが感じられて小気味よい。

さて、今日のセリフ(字幕)はエリザベス・テーラーとポール・ニューマン夫婦の会話。

君なら切り抜けるさ。
もちろん、勝つつもりよ。
何が勝ちだ?熱いトタン屋根の猫にとって。
飛び降りずに頑張ることよ。

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2006.01.16

『嵐の三色旗~二都物語~』

原作:チャールズ・ディケンズ

世界名作映画全集『嵐の三色旗~二都物語~』を観た。

『二都物語』は面白い。こういう面白い大衆小説をたとえば新聞の連載で毎朝読めたら、きっと、朝起きるのが楽しみだろうなと思う。

1789年のフランス革命を背景として、ロンドンとパリふたつの都市をまたいで物語は展開する。フランス革命といってもそこはディケンズ。純粋な歴史小説ではなく、人々の「人生楽ありゃ苦もあるさ」的な部分も盛り込んだ大河ドラマ風味となっている。貴族の民衆に対する横暴や暴挙のくだりを読めば民衆の気持ちになって怒り悲しみ、革命によって民衆による報復が始まり貴族たちがロクな裁判もなく断頭台に送られるとなれば、今度は民衆をあさましく感じ貴族たちに同情せずにはいられない。そんなこんなのフランス革命に巻き込まれたある家族、そして、ひとりの男の「愛のカタチ」を描いたドラマ。というのが『二都物語』の内容だ。余談だが、個人的にひどく現実的なオンナなもので、その「愛のカタチ」については長年整理がついておらず、「自己犠牲」や「献身的愛」がどうもピンとこない為、『二都物語』は恋愛小説という一般常識がいまだにますます消化できない今日この頃。

『嵐の三色旗~二都物語~』は128分のだ。

冒頭からあまりにも原作通りなので時間内にどうやって納めるのか本気で心配したほどだが、それは杞憂だったようだ。とてもわかりやすいドラマになっていて、今日も泣いた泣いた。

ジャック・コンウェイ監督。1935/米

で、今日の字幕は、シドニー・カートンがダーネイの身代わりになる覚悟で今後の手はずを指示したあとにローリーが彼にこう訊ねる。

他に伝えることは?

カートンはせつなげに物思いしながら、何も言わない。その様子を見ていたローリーはすべてを察して言う。

君を誤解していたことは後悔している。

で、カートン。

誤解ではない。その通りだ。人生を振り返るとして、愛も手に入れられず感謝の気持ちや尊敬の念もないなら、そんな人生はつらいよな。

とてもよい映画だった。

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2006.01.07

『孤児ダビド物語』

原作:チャールズ・ディケンズ

今はもう、ごひいきの俳優や監督は新作映画に出演しないし撮らない。競うように新作映画をチェックする必要がなくなった。淋しいことだ。

1935/米

最近「世界名作映画全集」というDVDシリーズの存在を知り、時々観ている。このシリーズを観ればもう間違いない。ハズレはないのだ。映画史的に名作ばかりを集めてある。こうした名作を気軽に、自室にいながらにしてdvdで楽しめるとは便利な時代になった。

世界名作映画全集8 孤児ダビド物語

今日観た映画は世界名作映画全集の10作目の『孤児ダビド物語』。ディケンズの長編小説『デイヴィッド・コパーフィールド』を『マイ・フェア・レディ』『スタア誕生』『フィラデルフィア物語』のジョージ・キューカーが監督した作品。ストーリーは、ほら、ディケンズですので語ることもないでしょう。CGなどはない時代の作品だが、嵐の海や荒涼と吹きすさぶ風などは臨場感がある。少年時代のデイヴィッドを演じているのはグレタ・ガルボ版の『アンナ・カレーニナ』でも名子役ぶりを見せていたフレディ・バーソロミュー。

で、今日の名セリフは下宿先のミコーバがいよいよ債務不履行で逮捕され、ピンチに陥ったときディヴィッドに語るひとこと。このミコーバ一家との出会いが孤独なディヴィッドが生きていくうえで最大の励ましとなる。

君が目撃しているのは、人間という神殿が崩れ落ちる瞬間だ。花は枯れ、葉は色を失い、荒涼とした大地に太陽は身を隠す。要するに永遠に地を這うのだ。

ミコーバ一家は追放され、ディヴィッドともお別れすることになり、たったひとりの友人を失って「寂しくて死んでしまう」と悲しむディヴィッドをこう言って励ます。

心配することはない。必ずや光は射す。要するに絶望するな。行動してみなければ何も手に入らない。

経済的にひっ迫しているこのファニーな紳士は、まだ幼いディヴィッドにこんな助言もしていた。

20ポンド稼いだとき、使うお金が19ポンドならばうまく行く。だが、収入は20ポンドなのに21ポンド使ってしまえば、悲惨なことになる。

ミコーバとディヴィッドは別れの際に「蛍の光」(オールド・ラング・サイン)の一節を共にくちずさむ。 旧友との再会を明るく誓う歌だ。余談だが、この↓曲名リストを見ると「蛍の光」のたどった数奇な運命が興味深い。

曲名リスト
1. オールド・ラング・サイン
2. コミック・オペラ「ロジーナ」序曲
3. オールド・ラング・サイン(ベートーヴェン編曲版)
4. バレエ音楽「ラ・シルフィード」第1幕より
5. オールド・ラング・サイン(オルゴール)
6. オールド・ラング・サイン(バグパイプ演奏)
7. オールド・ラング・サイン(オリジナル版)
8. オールド・ラング・サイン(ブルーグラス)
9. オールド・ラング・サイン(ニューオルリンズ・ブラスバンド)
10. モッキングバードの主題による大幻想曲
11. スコットランドの勇士
12. ガオミィ サラーム(モルディブ共和国旧国歌)
13. 国歌(韓国旧国歌,愛国歌)
14. 惜春帰(春を惜しむ)(中国学堂楽歌)
15. 朝日は昇りて世を照らせり(讃美歌)
16. 螢
17. 螢乃光り(紙腔琴)
18. 告別行進曲
19. 螢の光
20. 螢の光
21. 螢の光
22. 螢の光
23. 螢の光
24. 螢の光
25. 別れ(軍歌)
26. 別れのワルツ(オールド・ラング・サイン)
27. 別れのワルツ(オールド・ラング・サイン)(再録音)

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デイヴィッド・コパフィールド〈1〉 (岩波文庫)

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2006.01.03

『イヴの総て』

演劇界の裏側を描いたサスペンス風の内幕ドラマ。 1950/米
  サスペンスといっても死人はでないが、私的にはホラーよりも恐かった。

大女優に接近し、大女優とその関係者をまるめこんで信頼を得て代役を勝ち取り、一年も経たぬ内に、ついには栄誉ある演劇賞を手にする野心を持つ若い女性

いやいやコワイ。

というのも、私は「極端な野心家や他人に取り入り人心を操ることに長けている女性」がと~ってもニガテなのだ。わりかしひと目で見破りますけどね。その点では、この映画の初盤に登場し、イヴの台頭とともに何故か物語から消えていく大女優の付き人さんの感性に近いのかな?とか。そういえば、あの付き人さんは女優崩れだと言っていた。

つまるところ、「極端な野心家や他人に取り入り人心を操ることに長けている若く美しい女性」でないと、女優として成功しない場合が多いということなのだろうかと。

若さも美しさも、成功への夢も野心も、一瞬の輝き。
『イヴの総て』という映画は、現在・過去・未来、女の一生を描いていたのだった。イヴもマーゴも、女性の一生の内の一過程ということかも。そしていずれは、あの付き人のようにいつのまにか光の当たる表舞台から消えてゆく。

これ以上はアレなんで書くのはやめておく。ともかく、たいへんよく出来た映画で少しも退屈しなかった。

イヴの総て
B0006TPESI

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2005.12.27

『怒りの葡萄』

スタインベックの原作をジョン・フォードが映画化した『怒りの葡萄』をdvdで観た。
1939/米

アメリカ中部に砂嵐地帯(Dust Bowl)と呼ぶ乾燥地がある。この乾燥と貧困が多くの農民の生活を不能にした。これは自然の猛威と経済変動に土地を追われ、安住の地と新しい家を求めて長い旅に出る農民一家の物語である。


1930年代、オクラホマを大砂塵が襲い、人々が3世代にわたって苦労して開墾した農地は一夜にして荒野と化す。土地と家を失った小作農民は、大資本の会社に追い立てられるように、また「乳と蜜の流れる約束の地」に希望をつなぐように、カリフォルニアめざして困難な旅に出る。しかし、たどり着いた地には同じように農地を追われた人々が難民となってあふれ、地主は過剰な労働力を利用して労働賃金を引き下げる。ひとりの地主のためにたくさんの人々が飢え、民衆の中に「怒りの葡萄」が実を結んでいく。という映画。名作だ。

ヘンリー・フォンダ演じる主人公トムは、困難な旅と不思議な元説教師の生き様に多くを学び成長し、母の元から旅立った。冒頭部分にくらべたら、その成長っぷりはすごい。人間も捨てたものではない。成長こそが人間に与えられた希望の光なのかもしれない。

[峠のわが家]が素朴な雰囲気をかもし出していて印象的。

[TB]
「クラシック映画」
http://member.blogpeople.net/tback/03759

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2005.12.16

『オリバー・ツイスト』1947

原作:チャールズ・ディケンズ

何年か前の年末に『クリスマスキャロル』漬けになって以来、この時期になるとディケンズ原作の映画を観るようになった。『クリスマスキャロル』や『大いなる遺産』もそうだが、この『『オリバー・ツイスト』も過去に何回もドラマ化や映画化されていて、各時代に制作されたものを比較するのが面白い。

この三作品に関しては、アニメやマペット版も交えても制作年度が古いほど好きだ。来春早々にはロマン・ポランスキー監督の『オリバー・ツイスト』も公開されるというので今から楽しみにしている。

今日観たdvdは、デビッド・リーン監督の『オリバー・ツイスト』。

1947/英

19世紀のイギリスを舞台に、過酷な状況で生まれ劣悪な環境に育ち、オトナの欲望や思惑に翻弄される少年、オリバー・ツイスト。

今回観たデビッド・リーン監督の『オリバー・ツイスト』の素晴らしさは特に冒頭の導入部。

暗雲たれこめ、一陣の風が吹いて枯れ木に残った最後の一葉を散らす。水面にさざなみがたち、木々の枝を揺らし、いよいよ黒い雲が空一面をおおいつくす間際、丘のうえに立つ人影ひとつ。そうそう、これがオリバーの母親なんですね。

稲光があらわにした女の姿は、なんと妊婦。もう陣痛が始まっており大変苦しそうだ。時折襲う激しい痛みに顔をゆがめつつも強い決意で丘を下る。おぼつかない足取りだ。そうそうこれはイバラの道。再び襲う激痛をこらえて行く手をみやれば、あ、人家の明かりが小さくひとつ。地獄にホトケとばかりに安堵しその明かりをたよりにがんばってたどりつき、崩れ落ちるように招き入れられたのは救貧院。といった具合に。

で、母は生まれたばかりの赤子に愛情こめたキスをして息絶える。即座に母のなきがらから引き離された幼子は、大きな声で泣く。そこでこういう字幕が。

オリバー・ツイストは大声で泣きました。 これからの境遇を知っていたらもっと泣いたでしょう。

ここまでの流れが好き。

オリヴァ・ツイスト

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2005.11.26

『第三の男』

どうも最近寝起きが悪い。明け方になんだかよくわからないゴチャゴチャとした夢を見た。内容はひとつも覚えていない。あまりよい夢ではなかったことだけ覚えていたみたい。色付きだったかモノクロだったかも不明。

今日もdvdを観た。
できるだけ没頭できる映画がいいと思ったので、結構好きな『第三の男』を。大切なシーンに猫も出演しますしね。1949/英


戦勝国4カ国に分割統治されている戦後のウィーン。瓦礫の街と下水道。そびえ立つ観覧車。罪状からして極悪人なのにどうしても憎めないハリィ・ライム。まことにいい映画だわ。

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2005.09.16

「欲望という名の電車」

小田島版テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」

星のコトはよく知らない。
けれども、星占いの星座の名前は知っている。
今はたしか乙女座?
昨日読んだ戯曲の主人公も乙女座だった。

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