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2008.12.08

2008年に青空文庫で読んだ文学作品 BEST 3

わたくしごとではございますが、

年末のまとめということで、2008年に青空文庫で読んだ中で「おお、コレは!」 とココロに残った作品 BEST 3 でも書いておこう。かんたんにさらっと。

青空文庫といえば、この一年間に青空文庫を利用させてもらって読んだ作品は数え切れないくらいある。最近 PocketSkyView がアレで使用できず自力でやらなくちゃなんない。あらためて PocketSkyView の便利さやありがたさを実感している今日このごろ。

追記(12/13 ): PocketSkyView が問題なく通常通り使用できるようになっているのを確認した。

さて、2008年に青空文庫で読んだ文学 BEST 3 は、

1. 右大臣実朝(太宰治)

将軍トハ、所詮、凡胎。厩戸ノ皇子ハ、寵臣ニソムカレタ事ハナカツタ。

右大臣実朝(太宰治) 青空文庫+アドエス+青空子猫+PocketSkyView

太宰治の「右大臣実朝」はとても面白かった。実朝の和歌と太宰治解釈の実朝の人物像にもとづいた発言を改行・字下げ・カタカナで表記してあるのだが、コレがすごくいい。実朝の和歌はもちろんすぐれているが、何といっても、太宰治の言葉のセンスがなんてステキなのだろうって。そんなこんなで、鎌倉散策のおりおりに実朝の孤独や太宰治の苦悩にチラッと思いを馳せたりすることもなくもないので第一位。

2. 藤十郎の恋(菊池寛)

...と、今まで泣き俯していた女は、ふと面を上げた。
「藤様、今仰った事は、皆本心かいな。」

藤十郎の恋(菊池寛)青空文庫+アドエス+青空子猫+PocketSkyView

菊池寛の「藤十郎の恋」は、お梶が堕ちるクライマックスがひじょうにおそろしく、印象に残った。映画も観た。かなり原作に忠実で、坂田藤十郎役の長谷川一夫はそりゃもうきめ細かく演じていたが、お梶役はいまひとつ。でも、当時のたいていの客は「藤十郎の恋」を観るというよりも長谷川一夫を見たかったのだろうから、映画は、もっといえば芝居というものも、それはそれでよいのだろうと思ったりした。

3. 山椒大夫(森鴎外)

人買いが立ち廻るなら、その人買いの詮議をしたらよさそうなものである。旅人に足を留めさせまいとして、行き暮れたものを路頭に迷わせるような掟を、国守はなぜ定めたものか。ふつつかな世話の焼きようである。しかし昔の人の目には掟である。子供らの母はただそういう掟のある土地に来合わせた運命を歎くだけで、掟の善悪は思わない。

山椒大夫(森鴎外)青空文庫+アドエス+青空子猫+PocketSkyView

森鴎外の「山椒大夫」は「安寿と厨子王」として子供のころからいつとはなしに知っていた物語である。たぶん、小説としてではなく絵本かなんかで読み聞かされたのだろう。おぼろげすぎるわたくしの記憶と森鴎外の「山椒大夫」の物語は大きく違っていた。そんなことで印象に残ったため、第三位。

番外. 弱者の糧(太宰治)

「映画でも見ようか。」この言葉には、やはり無気力な、敗者の溜息(ためいき)がひそんでいるように、私には思われてならない。

弱者の糧(太宰治)青空文庫+アドエス+青空子猫+PocketSkyView

太宰治の「弱者の糧」は小説ではなく随筆とかエッセイとか寄稿文のような感じ。だから番外。素直に、現代でも人によってはそうかもしれないと思ったので。

以上。

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