「草枕」

「春は眠いにゃ」
「草枕」は若年の折に読みましたが、当時はちっとも面白いと思いませんでしたよ。東西の詩歌や絵画や彫刻、能や歌舞伎、俳句、伝承、書などなど、あらゆる芸術についての知識を盛り込んだ独自の芸術論を、のどかな山間の風景に身をおきつつ思考展開する。終盤に至っては、ひなびた駅の停車場の茶店で蓬餅を手に近代文明の非人間性を「汽車論」と称して黙考し、今ある自由と平和を「動物園の虎が見物人を睨めて、寝転んでいると同様な平和である」と、切実な危機感を内々に押し殺す。わたくしは「椿の赤」の文章が特に好きですわ、胸がキュンとしました。
さすが、名作です。
青空文庫と朗読で。青空文庫はアドエス利用。朗読は新潮CD日下武史版、名演。
以上。
りるる文庫:「草枕」その二 >>
「[2]姫さま劇場」カテゴリの記事
- 猫とわたくし「出来心」(2008.06.20)
- 猫とわたくし「よい脚本よい映画」(2008.07.04)
- 猫とわたくし「梅雨どきは映画どき」(2008.06.13)
- 猫とわたくし「果実に芯があるように」(2008.05.29)
- 猫とわたくし「白昼夢」(2008.05.21)
The comments to this entry are closed.

![永井 荷風: 永井荷風 [ちくま日本文学019] (ちくま日本文学 (019))](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51sxZDGmh3L._SL75_.jpg)


Comments