読書の秋だが
読書といえば、
移動中に、アドエスに入れた青空子猫で青空文庫を読むのが習慣である。しかし、読みたいものが特に決まっていない場合に、青空文庫の膨大な作品群の中からたったひとつを選ぶのは、結構むずかしい。迷っちゃう。で、最近は、あ行の作家の作品を読んでいた。だって、PocketSkyViewの作家リストはあいうえお順で、当然、あ行は一番上に配置されていてお手軽なんだもの。
あ行。だから、芥川龍之介。
『河童』と水松
先日お散歩に行ったときに、公園のイチイという木の赤い実の可憐さにひきつけられて、つい写真を撮ったりもしたが、このたび読んだ芥川龍之介の『河童』にもくだんの『イチイ』がちょびっと出てきた。奇遇ですわ。芥川龍之介の『河童』を読むのはおそらく初めてではない。にも関わらず、『河童』に『イチイ』という名が書かれていることに初めて気づいたワケだ。で、『河童』の文章中の『水松』に、『いちい』、と、ルビがふってあったので、わたくしは『イチイ』のもうひとつの別名が『水松』であることを初めて知った。そこはホラ、散歩中に『イチイ』という木の存在を認識したばかりであるからこそ、あの『イチイ』が『一位』であり、『アララギ』であり、また、北海道においては『オンコ』と呼ばれていることを知り、そして、偶然の読書によって、それが『水松』でもあるということを知ったのである。しょーもない。でも、わたくしの場合はしょーもない些末なことの方に、よりいっそう惹かれる傾向があり、しょーもないといえば生涯しょーもないのである。
河童の国の巡査は
剣の代わりに水松の棒を持っているのです。
たったそれだけだ。
以上。
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Comments
芥川龍之介の作品は蜘蛛の糸と羅生門くらいしか読んだ事ないですね。
羅生門、平城京跡で復元されてるみたいなので、一度行ってみたいものです。
Posted by: どら猫 | 2007.10.28 20:11