「センチメンタルな旅・冬の旅」と今日の猫
姫さま劇場「見えなくてもあるもの」
今夜は満月のはずだ。夜空は暗くにごった葡萄色で雲は厚く、ここからは月も星も見えないんだけど、見えなくても月はそこにあるんだな。うん。あるんだ。
だから
姫さま、今宵は満月です。
【14687】p 【1.6】w
今日の猫
姫さまはナニを見てるんでしょうか。
猫さんはしばしば人間には見えない何かをじっと見つめているような時がございますね。一体ナニが見えるんでしょうかね。ぜひお教え願いたいものです。
わたくしは長い間、目に見えないものはそこに存在しないと思うことにしていたんだけれど、この頃はそうでもなくなってきましたよ。むしろ、それはもう切実に。というか、目に見えず存在自体が曖昧で漠然としている何かを確固たるものとして信じることに憧れますね。ええ。言い換えれば妄想の美徳にね。そんな美徳があるかどうかわかりませんけどね。ふふ。
そういえば、姫さまがナニをお考えになっているのか、姫さまにはナニが見えるのか、それもわたくしにとっては妄想の部類かもしれませんね。
「センチメンタルな旅・冬の旅」
話は変わりますが、先日、本を買いました。新しいものではなくずいぶん前に出版され話題になった写真集です。一般的には夫婦愛ということで論議をかもしたらしいけれど、当時はそんなものにゃまったく興味がないわたくしだった。
でも、5年経てばヒトも変わる。
10年経てば別人になる。
うそです。
実は入手する直前までたいして興味はなかった。本当は裏表紙の黒猫の絵の写真に心惹かれちゃっただけなんだ、オロカにも。だけど、じっくり見てみたら、すごくいいんだな、これが。
この「センチメンタルな旅・冬の旅」は、新婚旅行の写真「センチメンタルな旅」と、妻が入院し看取るまでの写真「冬の旅」を再編集したものらしい。写真家アラーキーの心象風景がズキンと胸を打つ写真集だった。ヒトの生死をまのあたりにすると否応なく厳粛なキモチになるものだ。そこにもたぶん見えない何かがあるんだろう。「センチメンタルな旅」が妻が若い頃の思い出写真なだけに、その対比がなおさら胸を打つんだな。
ですから、「センチメンタルな旅・冬の旅」、よいお買い物でした。
tag:書籍
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