「注目すべき人々との出会い」(1979)
熱情鑑賞日記
グルジェフ自伝の映画化
DVDで。
少年期と、科学と宗教の間で揺れ動き、自分の存在理由を捜し求める暗中模索の青年期。真理探究の旅に出て、「唯一の世界宗教」に出会うまでの物語。原作はグルジェフの同名の自伝となっているが、すべて実話とは思えない。なんとなく。
特に、前半の少年期が面白かった。神や魂や死についてのグルジェフ少年の疑問に、父や司祭や教師ははっきりと答えることはできない。そりゃそうだ。そんなものは誰にも言い切ることはできないはずだ。むしろはっきりと答えられる人物がいたら、そいつこそマユツバものだと思うしな。
後半は冒険物語の趣もあり。「肉体労働の効能」や「知る事と学ぶ事の関係」ってのはちょいと面白いと思った。なんとなく。
作品詳細
- 監督:ピーター・ブルック
- 出演:ドラガン・マクシモヴィック /テレンス・スタンプ
- 1979
- イギリス
- Wikipedia[G.I.グルジェフ]
[メモ] グルジェフ少年問答集
神について
20年に一度、谷間にさまざまな土地から選ばれし語り部たちが集う。語り部とはそれぞれ楽器を携えた世襲の人々で、その演奏や歌声によって谷の岩壁を共鳴させた者が勝者となり、ヤギだか羊だかが賞品なのである。この大イベントを目の当たりにしたグルジェフ少年は、ある夜、父に尋ねる。
「語り部たちは誰に習うの?」
「親爺からさ」
「その人は誰にならうの?」
「そのまた親爺ってな具合さ」
「その先は?」
「神に行き着く」
「神は今どこに?」
「サリ・カミッシュにおられる」
「そこで何を?」
「はしごを作り天辺に幸福を据えつけておられる」
「何のために?」
「人々や国々が昇り降りできるように」
肉体と魂について
グルジェフ少年は司祭志望だが科学にも興味がある。司祭や父はこう助言する。
「では、医学も学びなさい。肉体と魂は一体だからね。」
「己を知ることだ。されば、神も悪魔も恐れるに足りない。」
死について
思春期のグルジェフ少年はある日女の子をめぐって恋敵の級友と決闘をし、死ぬかもしれないと思う経験をする。
「死ぬってどんなことだろう」
そこで、父に聞いてみた。
「人間が死んだら何も残らないの?」
「魂が残るというが、わしはそう思っておらんのだ。だが、わしは疑いもなく信じている。人間はある経験を通じて、自分の内に繊細な何かを育むことができる。この何かは、死ぬときに一緒に消滅しない。それはずっと後だ。」
悪魔崇拝者について
ある日、グルジェフ少年は悪魔崇拝者を目撃する。悪魔崇拝者は地面に描かれた丸い輪から出る事ができない。見かねたグルジェフは、その輪の一部をかき消してやる。すると悪魔崇拝者は輪から出ることができた。グルジェフ少年は疑問に思う。
「何故彼らは輪から出られないのだろう」
そこで、酒盛り中の学校の教師たちに聞いてみた。
「連中は出ないと誓ったのだろう。奴らは誓いにとらわれている」
「奴らは悪魔崇拝者だ。悪魔は奴らに手出ししないかわりに、自由を制限している」
「単なるヒステリーだ」
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