「太陽はひとりぼっち」(1962)
「太陽はひとりぼっち」(1962)
「死」を身近にしなければ実感できない希薄な「生」
先日DVDで、ミケランジェロ・アントニオーニの「太陽はひとりぼっち」を観た。直前に観た「RENT/レント」の歌詞にアントニオーニの名前が出てきたんだけど、それは偶然。奇遇ですわ。
で、「太陽はひとりぼっち」なのだが、ひとことで言えばいかにもミケランジェロ・アントニオーニ。よくわからにゃい。が、ヒロインの倦怠ぶりは、同じく倦怠気味のわたくしでさえうんざりするほど絶望的だ。
恋愛を含め感情がもたらす幸福がほんの一瞬である事を若くして学習してしまった彼女の人間関係の希薄さは、婚約者や恋人はおろか、実の母親にまで及んでいる(ま、この母親が最も問題なんだけど)。だから、互いの関係が彼女なりのボーダーラインを超えざるを得ない状況が訪れると、不安でそこにいたたまれなくなり、相手の前から去るという事を繰り返す。たぶん、拒絶される時が来るのを恐れるあまり、そうなる前にあらかじめ拒絶するのだと思った。
証券取引所のシーンに多くの時間が割かれていることの意味については、現在考え中。
建築途中で放置された建物、風景との調和を欠いた奇怪な建物やバス通りを疾走する一頭立ての馬車、前世紀の建物、喪服の人々、教会などたくさんの映像のモンタージュが、死を身近にしなければ生を実感できず、日常生活を築くことなく生の傍観者となった彼女の、不調和の疎外感を描き出す。
どのシーンも美しいモノクロ映画。
作品詳細
- 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
- 出演:モニカ・ヴィッティ/アラン・ドロン
- 1962年イタリア/フランス
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