『猫に時間の流れる』
世間ではGWの出国ラッシュとか渋滞だとか連休ならではの騒々しさだが、私は特に事もなし。いつもどおり。通常営業。ある意味、通常休業。
昨夜、保坂和志の『猫に時間の流れる』を読んだ。本当はタイトルに惹かれて同作家の『書きあぐねている人の小説入門』とか、新刊の『途方にくれて、人生論』などに手を伸ばしたが、書きあぐねっぱなしで途方にくれっぱなしのわが身を省みると、このような書物を読んでしまうとはまりすぎてしまってもアレなので、止めておいた。
猫好きも多様で、その“好き”の表現もさまざまだ。中でもあまりにも手放しの“好き”にはちょっと気恥ずかしさを感じる。いや、気持ちはものすごくよくわかるし、おおかた心の底から同感だったりするわけだけれども、猫の事に限っていえば、少し適切な距離を持って表現してくれた方がなんとなくピッタリくる。そういう意味で、この『猫に時間の流れる』は好きだ。中心人物の妙な猫好きトリオの中で、語り部の“僕”だけが猫を飼っていない。ここに作者の工夫が感じられる。好ましい適切な距離を意識したのかもしれないし。昨夜は猫をかたわらに置き、心地よく猫の本を読む幸運に感謝したのさ。
いろいろと印象的な場面があったが、名言っぽく一箇所だけ引用させていただく。猫好きトリオのひとり、西井君のセリフだにゃ。
from保坂和志『猫に時間の流れる』 p.19
―略―化膿したぐらいでエイズがわかったら苦労しないんだよ。 だいたい、性病っていうのは、薄汚れたブスよりきれいにしている美人の方がキケンだっていう特殊な病気なんだからね。外見では計れないんだから―
ホントにね。
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Comments
猫との適切な距離感。
確かに有りますね。
でも居るとついもじゃくりたくなる。。。野良猫みると気になってしまう・・・病気ですね。
Posted by: どら猫 | 2006.04.30 at 20:12
猫は、こう、なんというか、たまらなく可憐ですからね。ついのめりこんじゃいますよね。
Posted by: iris* | 2006.05.01 at 20:56