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2005.09.16

「欲望という名の電車」

小田島版テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」

星のコトはよく知らない。
けれども、星占いの星座の名前は知っている。
今はたしか乙女座?
昨日読んだ戯曲の主人公も乙女座だった。

年末上演される舞台を物色中に、テネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」を見かけたので思い出し、本棚をさがしたが、残念ながらなかった。だから「欲望という名の電車」の文庫本を読むことに。200ページの戯曲なので、すぐに読み終えてしまう。なのでついでに少しだけ検索してみた。おもだった検索結果をここにメモ。

「ガラスの動物園」2006年新国立劇場

欲望という名の電車
欲望という名の電車

「欲望という名の電車」といえば、文学座で杉村春子さんが長年にわたり繰り返し主演し有名だそうだが、この文庫本の訳者は小田島氏で、あとがきによると青年座のための翻訳だったらしい。その時のブランチは東恵美子さんでミッチは津嘉山正種さん。スタンリーはなんと西田敏行さんだったそうだ。何年かまえには樋口可南子さんや篠井英介さんがブランチをやった。

ちなみに米国の初演では、あのジェシカ・タンディがブランチ、マーロン・ブランドのスタンリー、演出はエリア・カザンだったそうだ。ジェシカ・タンディは「フライド・グリーン・トマト」や「ドライビング・ミス・デイジー」などで静かな演技をみせてくれた。

欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット

で、さっそくこの映画を観てみた。ところが、戯曲を読んでもっとも心琴に触れ、胸を打ち、観たいと思っていた場面がまったく別の状況に代わっていて、正直言ってガックシした。この点については特典映像で親切な説明があり、すぐに疑問が解けて助かった。けれども疑問は解けてもガッカリな気分は解消されない。これではあたくしにとって意味がないといっても過言ではない。なんとなく。同種のガッカリを最近観たあるお芝居でも経験したばかりだし。

ブランチに同情はするものの、その言動は大部分において耐えがたく目障りで好きではないが、彼女の精神にもっとも影響を及ぼしたと思われる出来事についてのひとつの告白によって彼女の絶望の深さを知る。そのシーンは、あたくしにとって深い意味があったのに。

が、考え直してみれば「美しく繊細ではかないもの」が「粗野で力強いもの」によって押しつぶされていく有様を描いた物語というあたくしの捉え方からすれば、ひとつのシーンが道徳的な力によって許されるコトなく捻じ曲げられたこの事実こそ、救いがたい絶望の物語をもっとも現実的に表現していると云えるのかもしれない。
(9/28 追記)

* * *


記憶に新しいところでは「オール・アバウト・マイ・マザー」で劇中演じられていたのが「欲望という名の電車」だった。スペインで「欲望という名の電車」というのも考えてみりゃ面白い。もう一度観てみようかな。

「欲望」という電車に乗り「墓場」という電車に乗り換え、「極楽」で降りる。

1930年代のニューオリンズにはそういう電車が本当にあったらしい。実にアメリカらしいような気がする。現在のアメリカはどんなふうなんだろうか。わからない。けれども「ワルシャワ舞曲」に限らず、「銃声一発!」ですべておしまいなのは今も変わらないのかもしれないが。

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