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June 2005の15件の記事

2005.06.29

「ティムシェル」汝能ふ。

蒸し暑い。

ココログは、現在「記事一覧」を表示できないらしい。エラーになる。したがって、「記事の編集」ができない。一体どうしたコトだろう。あたくしのようなそこつモノは、変換ミスや語句の重複は日常茶飯事。うっかり英単語など使おうものならスペルミス。「記事の編集」ができればこっそりと修正し、何事もなかったふうを装おうコトもできるが、その道は絶たれてるってことだわね。はずかしい。


今朝、「エデンの東」を読み終わった。めずらしく「あとがき」も読んだ。「まえがき」は必ず読むが「あとがき」はめったに読まない。同じく、CDアルバムのライナーノーツも読まない。同じく、読書はするが、感想文は書かない。あ、ナニが「同じく」なんだ。ちっとも「同じく」じゃないじゃないかと。これは余談だが。

で、この本の「あとがき」は好きだ。もしもこの世を去るときに「一番好きな本は?」と聞かれたら、「エデンの東」、しかも、「2005年版早川書房刊 土屋政雄訳」の「エデンの東」と言い残すに違いないと、今は思う。で、その理由を訊ねられたら、「教えない」と言ってやる。

050629_1046001
絶好調のラスト近辺で、邪魔が入った。場所を移動してもどうしても邪魔をする。最後には部屋の隅にうずくまって本を読む。でも、とうとうこのありさま。でも、許しちゃう。いま、ココロが広くなっちゃってるから。

「ティムシェル」汝能ふ。。

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2005.06.26

帝劇「ラ・マンチャの男」

帝劇の「ラ・マンチャの男」を観た。松たかこさん熱演。他の主要キャストはベテラン揃いで落ち着いており、危なげがないかわりに少し冗長なムードになりがちだ。ほら、安心感がありすぎて。

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2005.06.24

「世界でいちばん不運で幸せな私」

今日は梅雨の中休み。今年のなごりのあじさいを見に行こうという計画だったが、昨日からの発熱のためキャンセルした。身体の節々が痛み、だるい。けれど、一応ウォーキングはして来た。約束してあったし。息切れははげしかったが、意外なコトに、出掛ける前より気分がよくなった。詰まっていた鼻も通った。たくさん汗をかいたせいかもしれない。おなかもすいた。食欲復活。食欲。あたくしに残された唯一の欲望。よろこび。人生のすべて。

ビバ!食欲!
うそです。カラ元気ですわ。


ここのところ、フランス映画ばかり観ていた。意図的なわけじゃなく、たまたまフランス映画祭にちなんでCSで特集していたもので。こう続けざまに観ると少し気が重い。フランス映画は気分転換には向かない。少し皮肉が過ぎる。最近観た映画もフランス映画。もういやだ。なのに、予約してあったDVDもフランス映画だったのね。届いちゃった。観ました。

世界でいちばん不運で幸せな私
ギョーム・カネ ヤン・サミュエル マリオン・コティヤール チボー・ヴェルアーゲ
B0006TPIJS
前半は無邪気でかわいいいたずら。でも幼い恋人達はすでにそれぞれ壊滅的な喪失を経験している。その現実逃避のためのゲームが、エスカレートしながら延々と続く。恋はたしかにそこにあるのに、始まらず終わらない。これはある意味で、究極の恋人達。なぜなら、恋は始まってしまったら必ず変色し終わるものだから。せつない恋心が伝えられないのは不運かもしれないが、恋の醍醐味はそのせつなさにある。それが永遠に続くなら、あるいは幸せなのかもしれない。監督いわく、「大人になるということは、自分の感情に責任を持つこと。自分自身を受け入れること」。でも、必ずしもオトナにならなくてもいいかもね。いいじゃないの、幸せならば。という映画だと思った。

B0009J8JHI夜と霧
ドキュメンタリー映画

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アラン・レネ監督のドキュメンタリー。アウシュビッツの廃墟や、記録のコラージュ。何度観てもショッキングなドキュメンタリー。これは現実。気をつけましょう。

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2005.06.23

「エデンの東」ジョン・スタインベック著

今朝もいつものように時計代わりにラジオを聞くとも無く聴いていた。切れ切れに。ジーコだとかペレだとかいう話だった。そういえば、何日か前にウチのオトコ達が夜中にTVを観て、盛り上がったり盛り下がったり大騒ぎしていたな。サッカー界でナニがあったのか何にも知らないけれど。というか、あたくしったら世の中のコトは知らないみたい。多くのヒトが主に話題にしているコトを中心に、まったく知らないようだ。なぜだろう。

だいたいその「世の中」って何だろう。

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2005.06.19

「フェリックスとローラ」「恋するシャンソン」

今日も雨は降らなかった。梅雨だけど。
カラリと晴れないところがやはり梅雨時。週末になんとか持ちこたえてお天気だったのはありがたいけど、雨の月曜日というのもゆううつ。。ただでさえ、なんだかブルーな気分のヒトが増えてるような気がする今日この頃。



昨日もCSでフランス映画を観た。「フェリックスとローラ」。シャルロット・ゲンズブール主演、ルコント監督のラブストーリー。移動遊園地のバンパーカーなんて乗ったコトがない。遊園地といっても、この映画ではお客はオトナ。ミステリアスなシャーロット・ゲンズブール。平凡なオンナがどうしてもドラマチックに生きたいと思ったら、ウソをつくしかありませんわね。理にかなっている。でもあのかわいい「なまいきシャーロット」が30代ってねぇ。。いやん。

B000065EGIフェリックスとローラ
シャルロット・ゲンスブール フィリップ・トレトン アラン・バシュング フィリップ・デュ・ジャネラン

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で、今日観たアラン・レネ監督の「恋するシャンソン」ではシャーロットのお母さんのジェーン・バーキンがちょっとだけ出ていた。非常に現実的な奥さん役で。この映画はとても斬新で、シャンソンやフレンチポップスがモノローグっぽく使われていて、「8人の女たち」ほどではないにしろ、ちょっと唖然。なにしろそのままの録音で、いきなりくちパクされますの。内容的には間違っちゃいないが、慣れるまでしばしご猶予を。。年齢的に、こうしたシャンソンやフレンチポップスは、子供の頃によく聞いた。昔の音楽番組ではよく日本の歌手がこうした曲を歌っておりましたの。まじで。

B00005FX2G恋するシャンソン
アニエス・ジャウイ アラン・レネ

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フレンチといえば、ドラマのテーマ曲として使われ、一時ブームになったジョルジュ・ムスタキの「私の孤独」を思い出した。「バラ色の人生」というドラマだったかな?いやん。詳細はわすれまちた。。オススメなんだけど、古すぎな話題かしらね。

B00005L925私の孤独~ベスト・オブ・ジョルジュ・ムスタキ
ジョルジュ・ムスタキ

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2005.06.17

「スティーブン・キングのキャッツ・アイ」

傑作短編の映画化。子役として活躍中だったドリューバリモアとハンサムな猫の共演が軽快なオムニバス。プロローグとエピローグをはさんで、3話から成る。おこちゃまにもわかりやすいブラックユーモアが笑える。もちろん、オトナにとっては別な意味で。全編通じて描かれているのはさまざまな形の「取引」。スティーブン・キングは短編が面白い。

B0001WGLVYスティーブン・キングの キャッツ・アイ
ドリュー・バリモア スティーブン・キング ルイス・ティーグ ジェームズ・ウッズ

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2005.06.16

「溺れゆく女」

この記事はお引越ししました。
http://wing55.littlestar.jp/irisox_diary/2007/07/post_4.html

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2005.06.11

「10ミニッツ・オールダー」「戦艦ポチョムキン」「ダ・ヴィンチ・コード・デコーデッド」「薔薇の名前」「市民ケーン」

今日は雨の土曜日だった。

数日前から体調が不調。食欲はあり、熱はなく、何がどう悪いのか、われながらよくわからない。ひとことで言ってしまうと、憂鬱ということか。あたくしはどういうワケか、「人生はばら色」とか、はたまた「人生お先真っ暗」とか感じたコトがない。うれしいときもそうでもないときも色に例えると、バックグラウンドはうっすらブルーだ。

好きな色ではないけれど。

物語も音楽も映画もお芝居も、落語やお笑いでさえもどこか哀しい余韻を残す。

そして人々はたいがいそれらを好む。だから、生涯の半分くらいまでは、世の人々は皆同じようにうっすら哀しいものだと思っていた。でも、そうでもないみたいね。。たくましいヒトが多いのでちょっとおどろき。哀しみを他人への攻撃に向けるたくましさには脱帽だ。お手上げともいう。以上は余談。

先日、「10ミニッツ・オールダー」のDVDを観た。ヴィクトル・エリセ監督の「ライフライン」は10分間とは思えないほどの重量感。いまだに消化しきれず、いまだに考えがまとまらない。この映像の手法は、昔観た「戦艦ポチョムキン」を思い出す。といっても、この映画は現代の映画すべての原型ともいえるので当然なのだが。そんなコトを思い出していたら、昨夜、ひょんなところでこの映画のワンシーンを垣間見た。

あたくしは二年ほど前からほとんどTVを観ない。家族が観ているときにちらっと観るくらいだ。昨夜、「世界の悪妻」を紹介する番組で、どの悪妻のエピソードに関連していたのかは不明だが「戦艦ポチョムキン」のワンカットが挿入されていた。なつかしい。DVDもあるらしい。

B0000A02EW戦艦ポチョムキン
アレクサンドル・アントーノフ セルゲイ・エイゼンシュテイン グレゴリー・アレクサンドロフ ウラジーミル・バルスキー

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で、先週「ダ・ヴィンチ・コード・デコーデッド」を観た。特筆したいコトはない。ただ、中世の宗教といえば、というコトで「薔薇の名前」を思い出し、その「薔薇」に反応してしまい、「市民ケーン」という映画を思い出した。実はこの映画は「戦艦ポチョムキン」とほぼ同時期に観たので、またまたあたくしの悪癖である「連想ゲーム」が始まってしまったというお粗末なのだった。この映画のキーワードは「薔薇のつぼみ」。

B0000635SD市民ケーン
オーソン・ウェルズ ジョセフ・コットン

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2005.06.08

「10ミニッツ・オールダー」

最近オムニバス映画にご縁がある。「10ミニッツ・オールダー」は、15人の世界的な映像作家が、10分という時間と、ひとつのテーマに基づき製作した濃厚な作品。二部構成になっていて、片方が「トランペット編」またの名を「人生のメビウス」、DVD化にともない「RED」と名付けられた。もう一方は、同じく、「チェロ編」「イデアの森」「GREEN」。まずは「RED」から鑑賞した。それぞれ10分の短編ゆえ、気を抜けず結構疲れるが、劇場で観るつらさを思えば、ラクチンだ。妄想する余裕も生まれる。あたくしの老いた脳もまんざら捨てたものではない。イマジネーションにより、7本の本編を観た心もちでございました。お粗末な妄想だけどね。以下は簡単な覚書。


  • アキ・カウリスマキ  『結婚は10分で決める』
    おなじみの顔ぶれがうれしい。あの映画やあの映画とむりやり関連させて妄想。
    「何故隣に座らないの?」「見てる。確かめてる」「何を?」「まだあるかどうか」「何が?」「祖国」。ひぃー、かっこいい。
  • ビクトル・エリセ  『ライフライン』
    赤子の危機。この赤子が後に「地獄の黙示録」の撮影することになると面白いかもと妄想。「生と死」にまつわる、 歴史とか運命とか家族とかが盛りだくさん。たしかにはまる。あそこに描かれているのが、すでに失われているモノなのか、失われつつあるモノなのか、あれこれ考えると夜も眠れない。そもそも刻々と生まれ、刻々と失われ続けている「時間」がテーマなのだが。
  • ヴェルナー・ヘルツォーク  『失われた一万年』
    原始そのままの生活をしていた部族に文明が与えたもの、奪ったもの。
  • ジム・ジャームッシュ 『女優のブレイクタイム』
    女優の充たされない日常と孤独。この女優の今後を妄想。ハートブレイク!
  • ヴィム・ヴェンダース  『トローナからの12マイル』
    ちょっとした間違いによって天国と地獄を同時に体験した男。助けた少女との恋がめばえたら、それこそ「天国と地獄」だなとその後を妄想。
  • スパイク・リー  『ゴアVSブッシュ』
    大統領戦にまつわるえとせとら。もし、ゴアが大統領だったらと妄想。
  • チェン・カイコー 『夢幻百花』
    北京、百花通り開発途中の工事現場で、「アタマのおかしい」男が見せた「思い出」による幻。 幻が現実だった時代の物語を、あの方主演で妄想。

B00016AWD8 10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル
オムニバス・ムービー アキ・カウリスマキ ビクトル・エリセ ヴェルナー・ヘルツォーク

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「Born to Boogie」

マーク・ボランとT.REXの貴重映像収録のDVD。発売されたばかりなのに、朝起きたら居間に置いてあった。誰のだ?

B0008JH2U4ボーン・トゥ・ブギ
T.レックス

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三枚組。愛蔵版仕様の美麗なケース。リンゴ・スターが監督したと称されるムービーの他、ライヴ映像、ドキュメンタリー、インタビュー、三枚目には「T.REXイン・ジャパン1972」も。ムービーではリンゴ・スターはもちろん、エルトン・ジョンも演奏に加わっていて豪華。マーク・ボランが愛くるしい。テーマは「魂を満たすのはムーヴとグルーヴ」。現在のあたくし的には、ちょいと恥ずかしいコトバだが、ま、いいか。「いまさら」という御仁にはムリに勧めないが。もったいなくて。

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2005.06.05

「めぐりあう時間たち-三人のダロウェイ夫人」マイケル・カニンガム著

昨年、映画「めぐりあう時間たち」を何回か観た。よくできた映画で、描かれている三人の女性には有名な美人女優がそれぞれ力演していた。特にクラリッサ役のメリル・ストリープは、その視線・動き・セリフまわしの細かいテクニックを駆使して、脚本に直接記述されていないと推測されるクラリッサの感情をいとも自然に表現しているように感じられ、役者の身体表現のはてしない可能性に驚愕した。「才能は天から与えられた花束」という言葉をどこかで読んだが、まさにこういうことかと。

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2005.06.04

「天国の日々」

若き日のリチャード・ギアというと、「ミスター・グッドバーを探して」のめちゃめちゃ軽薄なにいちゃんを思い出すが、この「天国の日々」の彼はなかなか。

この映画は三角関係の話なのだが、舞台が1900年代初めのアメリカということで、一部の人間をのぞいて誰もが貧しく、誰もが流浪していて、労働者にとっては過酷な時代だったがゆえに、この物語の主人公の内的な焦燥や混乱はハンパではなくて、この三角関係にはたして「愛」が介在しているのかは疑わしいところだ。が、リチャード・ギア演じる主人公は、見事にこの疑惑をはらしてくれた。どこかで読んだ焚き火にわが身を投じて仲間を救ったウサギの話を思い出したが、それは深読みが過ぎるだろうか。断言できるのは、彼には「愛があった」というコトだ。


B000666Q9M 天国の日々
リチャード・ギア テレンス・マリック ブルック・アダムス サム・シェパード

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オトコは、妹のリンダと恋人のアビーを二人とも妹と称して流浪している。収穫時の臨時雇いの労働者として広大な農場で働くうちに、アビーは余命いくばくもない農場主に見初められ、オトコのススメで結婚する。オトコはそれまでの暮らしにうんざりしていたから。農場主は孤独な人間で、自分がまもなく死ぬコトを知っている。ここで追い討ちをかけるように、リンダによる独白が入る。

花をあげたら、一生大事にもっているヒトだ」。ここで問題なのは、農場主の孤独ゆえの執着心。

当初、期間限定とはいえ、恋人を他のオトコの手にゆだねるようなヤツは悪人で、不治の病に冒されているうえに、まんまとだまされてしまう農場主がお気の毒な善人のような気がしたが、展開が危機的な状況になるにつれ、まんざらそうでもないコトがはっきりしてくる。ここで追い討ちをかけるように、リンダによる独白が入る。

完璧な人間なんていない。皆、半分天使で半分は悪魔だ」。そういうコト。ここで問題なのは、人間の孤独とエゴイズム。

そして物語の中心にいて、二人のオトコの「愛」に翻弄されていると思われていたアビーが、ラスト近くで実はまんざらそうでもないコトに気付く。ここで追い討ちをかけるように、リンダによる独白が入る。

彼女に行くアテなんかなかった。いいヒトに出会えるといい」。そういうコト。彼女は誰のコトも愛さないオンナなのだ。何かを与えてくれるオトコについて行くだけだ。

4人で過ごした「天国の日々」。リンダのいう「王様の暮らし」は、天が与えた束の間の「借り物の幸福」。時は大戦前夜。リンダが歩き始めた寂寞とした線路の果てに、本物の「天国の日々」があるのだろうか。音楽・撮影・演出も見事な美しい映画でございました。

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2005.06.03

「バックマン家の人々」

人生はジェットコースター。

特に子育てにおける母親の気分は、まさに「愛と絶望の」ジェットコースターだ。さっき「この子を産んでよかった」と喜びにほのぼのうちふるえたかと思うと、一転して、「この子はもしかして真性のアホか!」とわれとわが子の行く末に絶望したりする。本日のあたくしは後者。。しくしく。。

昔観た映画の中で、似たような言葉を聞いた。どの映画だったか、こころあたりはいくつかあるのだが、特定はむずかしい。複数の映画だったかもしれない。たぶん人類が生をうけた太古から、世界中の母親が同じ気分を味わいつつ、よろこんだり悲しんだりしているのだろう。

昔観た映画の中で青年期に入った子供達は、青年期に考えられるある種のトラブルを家庭に持ち込む。子供達はそれなりに悩み、生きるの死ぬのだのと騒ぎ立てるが、その若さゆえに後始末を当然のように親に託す。まるでそのトラブルの大元が親の責任だと断罪するかのごとく。そういわれれば親だって完璧ではないし、親自身にだって悩みもトラブルも、負い目やトラウマもあるのよね。ちっ!!

映画の中では、主に父親が大活躍で大奮闘するわけで、母親はそのパパのこころのささえという役回りなのね。ほら、この映画はアメリカ製のコメディ映画だから。。この日本では、というか我が家ではコレはあり得ないの。余談だが。

で、昔は人生はローラーコースター。

問題は残るものの、それなりに収まるところに収まったというラスト近くに、それまでストーリー上全然関わって来なかったボケかけたばあちゃんが、「わたしはローラーコースターが好き。ティーカップやメリーゴーラウンドは好きじゃなかった。」とか言うのよね、たしか。。この映画は「バックマン家の人々」。間違ってたらごめんなさい。

B0006M17TKバックマン家の人々
スティーブ・マーティン ロン・ハワード キアヌ・リーブス

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2005.06.02

「大病人」

「ボクならこう死ぬ」というのがキャッチコピーの伊丹十三監督作品。

「こう死ぬ」というのが、「どう死ぬ」コトなのかというと、いらぬ延命治療をせず、痛みと苦しみだけはくすりによっておさえ、できれば自宅で家族や友人に見守られながら、皆に「ありがとう」と礼をいい、妻に「キミのおかげでよい人生だった」と感謝し、にっこり笑ってこころ静かに死んで生きたいというコト。

B00008NJFW伊丹十三DVDコレクション ガンバルみんなBOX (初回限定生産)
伊丹十三 山崎努 宮本信子 津川雅彦

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ラスト近くの東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による「般若心経カンタータ」がクライマックス。神秘体験や宗教にはまったく興味のないあたくしは、この映画の参考文献のひとつに挙げられている「死ぬ瞬間」と、クライマックスに使われている「般若心経」を、「恐れず、よりよい死を迎えるべきだ」という意味あいで同意にとらえている。また、「よりよい死」を迎えるコトは「よりよく生きる」というコトだとも思う。

「よりよい生」とは、この映画の主人公のようにジタバタ生きるコトだ。愛や欲望や生活や仕事に貪欲に、死ぬまで生きるコトだ。伊丹監督は「生と死」を、実生活においてどのように結論付けたのだろうか。。

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2005.06.01

「ニューヨーク・スケッチブック」ピート・ハミル著

この短編集を身近に置くようになってからもう20年以上も経った。ときおり思い出してきまぐれに開いたページを読み返す。すると、1.2行読んだだけで胸が熱くなる。短編のひとつひとつを詳細に覚えているわけではないので、ストーリーや登場人物の感情などに反応しているわけではないようだ。では何が胸を熱くさせるのか。街や人への「愛」かな。。

エリートとは無縁のたたきあげの記者・作家である彼が、O・ヘンリー的無名の人々の生活と感情を愛着をこめてスケッチしたのが本書である。なお、山田洋次監督の「幸福の黄色いハンカチ」の原作者がハミルであることはあまり知られていない。(カバーより)

ハミルが愛する「孤独と喪失に彩られた、見えない街」ニューヨーク。そこに生きるさまざまな人間の「人生における危機の瞬間」を、愛をもって描く短編集。といっても決して感傷的に描写されてはいないし、テクニックに走っているわけでもない。カタチとしては、きわめて映画的といえるかもしれない。オススメ図書です。

ニューヨーク・スケッチブック
ピート・ハミル/著 高見 浩/訳 河出書房新社
ニューヨーク・スケッチブック

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