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January 2005の14件の記事

2005.01.29

「アバウト ア ボーイ」

公式サイト
ヒュー・グラント出演の映画は、大概こじゃれていて軽快で、「ちょっといい話」でキレイに終わるので気がラクだ。この映画もそんな感じ。お気楽で空っぽな38歳の独身男と、ウツ状態の母親を心配する12歳の少年の友情を描いている。「人間は孤島ではない」というのがテーマらしい。ボンジョビね。DVDで観ました。
2002年/米
その母親を演じているのがトニ・コレット。「めぐりあう時間たち」で、リチャードの母を落ち込ませる完璧な友人を演じていた。今回は重いウツ症状で朝から泣き暮らしているシングルマザー。別人みたい。女優ってスゴイね。
「人間は孤島」ではなく、人間は誰もが「島」だ。だから島内で起きるさまざまな問題は島内で解決しなければならない。けれども、誰かの手助けが欲しい時は、連絡船を出港させる。そのために海がある。迷わず船を出せるように航路は確保し、海はおだやかであれば尚いい。

アバウト・ア・ボーイ
ポール・ウェイツ

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2005.01.20

「年々歳々花相似たり」

朝日が昇るのが少しだけ早くなったので、何か得をしたような気分。一日が24時間というのは変わらないのに、ヒトの感覚というのは、お天道様にだいぶ影響されてるんですね。ありがたいコトですわ。できれば、歳をとらずにこの一刻一刻を感謝しつつ毎日を謳歌したいものですが、そうはいかないんだな、これが。あたくしは今朝、またしても白髪を発見いたしましたの。即、ヘナ。

「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」という句は「白頭を悲しむ翁に代わる」という詩の一節。これに続く句が、また絶品。「言を寄す全盛の紅顔子、応に憐れむべし半死の白頭翁」。

年々歳々花の姿は変わらぬが、歳々年々花を見る人の方は替わってしまう。・・・そこで、いまを盛りの紅顔の少年諸君よ、かつては諸君と同じように紅顔の少年であったこのひと、いまや死期も間近いこの白頭の翁は、まことにお気の毒ではないか。諸君はそう思わぬだろうか!?と、老いの哀しみと人生のうつろいやすさを嘆いている。(中国故事物語より)

あたくしは、まだ嘆きませんが。

中国故事物語 教養の巻
駒田 信二 寺尾 善雄

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2005.01.16

「セッション9」

これはホラーなんでしょうかね、やっぱり。

すでに閉鎖されたダンバース州立精神病院の廃墟。再利用の為にアスベスト除去作業にやってきた5人の男。ボスは、ストレスで極限まで追い詰められている中年男だ。私にとっては、幽霊よりもいかれた人間の方が百万倍こわいぞという映画なのですわ。誰のココロにもダークサイドはあり、邪悪はそこにひそんでいる。多重人格、実在の心霊スポット、ロボトミーなどをお好みの方にはオススメかも。2002/米

セッション9
ピーター・ミュラン ブラッド・アンダーソン デヴィッド・カルーソ

セッション9
ゼイリブ ジェイコブス・ラダー コントロール 悪魔の墓場 無修正特別版 ドット・ジ・アイ
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2005.01.14

「薔薇の名前」

以前この映画を観た後に、是非原作も読んでみたいと思ってわざわざ本屋に赴き探し当てたのは良かったんだけれど、中身をちらっと見ただけで断念。買わずに帰ってきました。なんかね、注釈とかがやたら膨大でね。いかにも難解そうでね。どうもあたくしにはムリだぞと。。そんな思い出があります。


今回、特別版DVDが発売されたので早速みてみました。特典映像はメイキングとJJ・アノー監督が「当時を語る」みたいなのと。最近、ギャラリー(音声解説)というコンテンツがあって、本編の後ろで監督とか出演者が語るっていうのが面白い。何回も観なけりゃならないシカケ。。


14世紀ヨーロッパ。修道院で起こる怪奇な連続殺人を解明しようと乗り出したのは、頭脳明晰な修道士バスカヴィルのウィリアム(ショーン・コネリー)と助手アドソ(クリスチャン・スレイター)。謎解きとともに、中世における宗教裁判の異常さを描いていて興味深い。陰鬱な風景。異形の修道士達。貧困のために汚れケモノのようになっている農民達。莫大な制作費と年月をかけてJJ・アノーが作り上げた映像世界。監督自身も大満足のようです。

「薔薇の名前」とは・・・解説はヤボになるのでやめておこう。だけど、ラストでこのタイトルの意味を改めて感じ、一気に落涙。。名作中の名作と太鼓判の映画です。


1986年/仏・伊・西独


薔薇の名前 特別版

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2005.01.10

「レ・ミゼラブル」

*URL変更
レ・ミゼラブル

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2005.01.09

「コールド マウンテン」

DVD出てたので観てみました。
原作は大ベストセラーの恋愛小説とあって、それはそれは感動的な愛の物語でした。監督は「イングリッシュペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ。主役にはジュード・ロウ、ニコール・キッドマンを配し、南北戦争に引き裂かれる恋人たちの愛を描いています。

アカデミー賞各賞にノミネートされるような大作は映画館で観ないコトが多い。特に恋愛映画は若い恋人達がデートにおいて観るもののような気もする。だから、こうして後からこっそり観て、なるほどな、と思う。愛は引き裂かれるからこそ美しく、逢えない時間が愛を育てる。そう、よろしく哀愁。。男は女を守るために苦難に耐えて種を残し、女は永遠の一瞬を信じて愛を育む。背景は大昔の話だが、今だからこそのメッセージも数多い。ただの恋愛映画ではない。

コールドマウンテン コレクターズ・エディション
ジュード・ロウ

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「バージン スーサイズ」

ソフィア・コッポラ監督のデビュー作。1999年度作品。
美しい五人姉妹が相次いで自殺、というショッキングな季節を描いたみずみずしい映画。

十代は遠い昔。あの痛ましくも輝かしい少女期は我ながら理解不能というか、言葉では言い表わせない混沌とした瞬間。あたくしはまさか自分が二十歳を過ぎてなお生き長らえてるなんて、これっぽっちも思っていなかった。これ、ホントのはなし。。
かといって、何か具体的な問題や強烈な圧力があったわけでもない。ここが映画の彼女達との大きな違い。とはいえ、ヒト様の死の理由は本人にしかわからない。しかも死人にクチなし。もしも死者に真相を聞くコトが可能であったとしても、この映画の場合も、彼女達自身うまく説明できないだろう。ソフィア・コッポラ監督は「主演の女の子たちが美しかった。ヒトには完璧な時期がある」と語っていた。去っていった少女達はその完璧な輝きが色あせぬまま、彼女達を愛した少年達を果てしなく誘惑し続けるのだろう。。

ヴァージン・スーサイズ
キャスリーン・ターナー

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「二十日鼠と人間」

スタインベック原作の映画化。1992年/米 主演のゲイリー・シニーズが制作・監督をしている。この作品に余程ほれこんでいる、といえるだろう。なるほど。大納得の名作だった。

無垢な優しさ故に、その怪力で愛するモノを死に至らしめてしまう男と、そんな彼を愛し、守り、共に生きようと奮闘する孤独な男。舞台は1930年、不況にあえぐアメリカ。絶妙なバランスでつりあっていたふたり。どちらがそのバランスをこわしたかというと、大男の愚かさかと言えばそうではない。小柄なキレ者、ゲイリー・シニーズ演じるジョージの「おごり」である。彼の相棒は老人の愛犬とはワケがちがうのだ。ジョン・マルコビッチ演じるこの大男を失い、自らの「おごり」に気づいたとき、彼は底知れぬ孤独と後悔に苛まれるのだろう。

二十日鼠と人間
ジョン・マルコビッチ ゲイリー・シニーズ シェリリン・フェン レイ・ウォルストン

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2005.01.07

BBC「二都物語」とか。。

原作:チャールズ・ディケンズ

去年の年末には何故か「クリスマス・キャロル」が放送されなかったような気がする。というのは、前々年あたりは、「クリスマス・キャロル」の色んなバージョン違いのモノが放送されていたから。。マペット版、現代版、女性版、アニメ版、ミュージカル版など。CSなどは同じ番組を繰り返し放送するので、それこそ「クリスマス・キャロル」漬けみたいな気がしたものだ。なぜだろう。不思議ちゃん。

クリスマス・キャロル

あたくしは何故だかディケンズが好き。だけど、読むのに骨が折れる。大概、翻訳が古く、親しみにくい。中でも「二都物語」は楽じゃなかった。あ、あたくし個人的な感想だけれども。だから、読んでから何年もたって、BBCのドラマ版が存在するコトを知り、探して入手した。IVCの「BBC Classic Drama」というシリーズで、あたくし的にはお宝だと思います。で、このBBCのドラマは、かなり原作に忠実。映画のように、原作以上の起承転結をほどこしていないので、資料として鑑賞するには適している。

二都物語

関連記事:このブログ内の"ディケンズ"
BBC「二都物語」とか。。
秋の夜長の過ごしかた~『東京奇譚集』やらディケンズやら~
『オリバー!』
『オリバー・ツイスト』1947
『オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり 』
『クリスマス・キャロル』
『孤児ダビド物語』
『嵐の三色旗~二都物語~』

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2005.01.05

「里見八犬伝」とか。。

先程チャンネルNECOで小耳にはさんだところによると、深作欣二監督「里見八犬伝」放送だそうだ。実はあたくし、角川映画がわりかし好きでしたの。

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2005.01.04

「昨日、悲別で」倉本聡

この記事は終了しました。

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2005.01.03

「日の名残り」

 1930年代から50年代を背景に描くプラトニックな恋の物語。実に気の長い話だ。今回のDVDには特典映像としてメイキングの他、この映画、この原作のもうひとつの側面である英国貴族にまつわる政治的な逸話も収録されている。こうした歴史上の一大事のさなかにありながら、貴族の執事として淡々と仕事に人生を費やす初老の男。アンソニー・ホプキンスが名演です。実らぬ恋というのはかくも美しいものかと得心。恋心丸出し、ゴリ押しのエマ・トンプソンが適役。別れのシーンは涙雨。人生って孤独で残酷。。1993年/米

日の名残り コレクターズ・エディション
アンソニー・ホプキンス

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日の名残り
カズオ イシグロ Kazuo Ishiguro 土屋 政雄

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2005.01.02

「過去のない男」

「人生は前にしか進まない」
車中の中年男。旅の途中のようだが行く途中か帰る途中か、目的は知るよしもない。だが、その目的自体がどうやら明白でないコトがすぐにわかる。夜更けのヘルシンキ駅に降り立った男は、今夜の宿のあてもなく、ベンチで途方に暮れる。そこに現れた三人の暴漢にボコボコにされた上、持ちモノを盗まれてしまう。運び込まれた病院で一度息を引き取るコトで、彼の過去は終わる。この映画は再生の物語なのだ。
言葉少なく、表情乏しく、説明めいたモノも一切なく、美しい風景が描かれているわけでもない。それでありながら大変雄弁に語る映像美。くすっと笑える場面もあり、日本人にはうれしい場面も。。聞けば、カウリスマキ監督は日本びいきなのだそうで。2002年/フィンランド

過去のない男
アキ・カウリスマキ ティモ・サルミネン カティ・オウティネン サカリ・クオスマネン

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映画事始「活きる」

距離【7.7】km 萌え【30】pt
今年最初の映画鑑賞は、元旦に届いたDVDだった。適当にリストアップしたものを、順番に送ってくる。だから、普段はわりとプチ意外性という意味で楽しめる。今回届いたDVDは年の初めに観るのにふさわしい骨太映画で、自分の趣味の良さを自画自賛。生きていくというコトはこういうコトかもと、しみじみしちゃった2005年正月だった。チャン・イーモウ監督「活きる」1994年/中国
何せこれはあたくしの好きな俳優さんが何人も出ているし。で、後に名前を変えてレスリーとあの映画で共演するコトになるあの女優さんが、まだ若くお下げ髪で登場するとかで、本筋と関係ない楽しみも多い。ま、こんな観かたは邪道かもね。「活きる」こととは、「もうだめだ」とか「もう生きていたくない」とか「希望を失った」時に「何とか持ちこたえて」生きつづけるコト。何者でもない、ただのちっぽけな小市民の生き方を描いています。

活きる 特別版
コン・リー ユイ・ホア チャン・イーモウ グォ・ヨウ

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